産経ニュース
2011年11月4日
高齢者や障害者に代わり、親族や弁護士らが財産を管理する成年後見制度。高齢化社会の見守り役と期待されながら、後見人が被後見人の財産を勝手に使い込む事件が後を絶たない。
.東京地検は今月1日、母親の資産を横領した後見人の息子息子を起訴したが、後見人選任から1ヶ月後には早くも犯行に手を染めていたとされる。
相次ぐ不正からは、被後見人が「食い物」になっている現状が浮かび上がる。
東京地検刑事部が、業務上横領罪で起訴した不動産業、●●被告(64)は、平成18年9月に母親(86)の後見人に選ばれた。
捜査関係者によると、●●被告は後見人選任から、わずか1ヶ月後に母親の不動産を売却。売却代金の大部分だった約4600万円を横領し、株の購入などに流用していた。
社会的に信頼が高いはずの弁護士が摘発されたケースもある。9月26日、成年後見人として管理していた男性の預貯金約1510万円を着服したとして、
名古屋市内の弁護士の男が有罪判決を受けた。男は外国為替証拠金取引や競馬での損金を埋めるため、財産の着服を決意したとされる。
検察幹部は「犯行は後見人本人が金に窮していることがほとんどで、被害は弁済されないことが多い」と話した。