令和2年10月13日
日本経済新聞 引用

 

兵庫県西宮市の障害者支援施設「西宮すなご医療福祉センター」で入所者を虐待したとして、県警は13日、懲戒解雇された元職員の無職、和田直宏容疑者(32)=同県尼崎市食満5=を重度の身体的、知的障害がある男性(53)への暴行と傷害の疑いで逮捕した。容疑を認めている。施設の室内カメラの映像によると、他にも20~50代の入所者9人に虐待を断続的に繰り返していたとみられる。

 

逮捕容疑は7月8日午後1時40分~2時ごろ、寝たきりで意思疎通ができない男性の脇腹を蹴ったり、腹部に座って圧迫したりする暴行を加え、同月9日午後8時半ごろにも腹部に座った疑い。また同月11日午前6時半ごろ、顔面を床に打ち付けて右目に打撲を負わせた疑い。8月に懲戒解雇された。

 

県警によると、室内カメラを確認したところ、カーテンで2人ずつ仕切られた4人部屋で、床の上に敷かれた布団で寝ている際に暴行される映像が残っていた。和田容疑者は生活支援員として男性の入浴や食事の介護を担当していた。

 

施設には178人が入所し、職員は約340人。7月末に施設から通報を受けた西宮市が立ち入り調査を実施し、9月に県警に被害を相談した。施設を運営する社会福祉法人「甲山福祉センター」は9月、事実関係の調査や再発防止策を検討する第三者委員会を設置した。